ブラック王子に狙われて②
春めいて来たとはいえ、まだまだ寒さが残る2月。
白いニットにタータンチェックのミニスカートを合わせ
その上にグレーのコートを羽織る。
プレゼントをバッグにしまって、
冷蔵庫からプレゼント用のババロアもピックアップ。
「ママ、行って来まぁ~す」
「気をつけてね」
「はぁ~い」
お気に入りのロングブーツを履いて自宅を出た。
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10時半にお邪魔する予定なんだけど、
10時前に慧くんのお宅に到着。
先日、ご褒美券を1つ消費して
『バレンタインデートがしたい』とおねだりしておいた。
「絢ちゃん、いらっしゃい」
「お邪魔します」
「慧、今シャワーから出たところだから、リビングで待ってて貰える?」
「はぁ~い。これ、冷蔵庫に入れておいて貰えますか?」
「えぇ、いいわよ」
抹茶ババロアをママさんに手渡し、リビングへと。
浴室の方からドライヤーの音が微かに聞こえて来る。
数分すると、慌てた様子の慧くん登場。
「絢、早すぎっ」
「えへへっ」
ワックスでアレンジしたようで、指先で少し触る彼。
「ちょっと待ってて」
「ゆっくりでいいよ~」
普段見られない慌てた様子の彼に笑みが零れた。