ブラック王子に狙われて②


「お邪魔しまぁ~す」

「ただいま」

「お帰りなさい」


デートの締めくくりは神宮寺家へ。

ママさんがお夕食を作って待っていてくれた。

パパさんは仕事で遅くなるみたいで、

3人で夕食を済ませることにした。

ママさんが作ってくれたクラムチャウダーは絶品で

もう何回リクエストしたのか覚えてないほど。


「ん~っ、美味しすぎる~~っ!」

「イギリス行くまでの間に作り方覚えないとね?」

「はいっ!!」


デザートはもちろん、抹茶ババロア。

甘いのが苦手な慧くんと

抹茶が大好きなママさんだから、

予想通り、ウケがよかったようで。

ママさん、パパさんの分まで食べてしまう珍事件勃発。

『パパには内緒ね?』だなんて、可愛らしいことを言う。



ママさん、食後は台湾ドラマを観ると言い、

私と慧くんは2階へと。


ソファーに腰を下ろした彼の隣りに座って。


「はい」

「ん?」

「ババロアだけじゃ、物足りないかと思って」

「別にいいのに」

「絢の気持ちが、い~~っっっぱい詰まってるから」

「フフッ、そんなに詰め込んだのかよ」

「あっ、今開けないでっ!」

「何で」

「絢が帰ったら開けて」

「………」

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