ブラック王子に狙われて②


しかも、こんなところに付けるって

服脱いだのか?脱がされたのか??


はぁぁぁぁぁあああ?!


いや、それもブチ切れんだけど、

そもそも、こういうのを付けられる状況を作ってる時点で

どーなんだって!!!!


男と2人きりにならなきゃ、

ぜってぇ付かねぇだろっ!!


イライラ……イライラ……


奥歯をギリギリと噛み締め、

腸煮えくり返るっつーのッ!!


「洗面所の三面鏡で見て来い」

「え?………うっ、うん」


俺の形相を、空気を読んだようで

怯えるように駆けて行った。


犯人は誰だ。

『やっくん』って呼んでる奴か?


いや、でも、

今日購買ですれ違った時は

そんな素振り微塵も見せなかったぞ、アイツ。


普通、付けてたら

挑戦的な視線浴びせて来るもんじゃね?


だとすると、誰?

俺の知らない男がいんのかよっ……。


「けっ、……慧…くんっ」


腕組して、冷視線を突き刺す。

絢は油断(すき)があり過ぎるんだつーのっ!

俺にはあってもいいけど


他の奴の前じゃ、

鉄壁でいて貰わねぇとマジで困るんだって。

< 27 / 288 >

この作品をシェア

pagetop