ブラック王子に狙われて②
しかも、こんなところに付けるって
服脱いだのか?脱がされたのか??
はぁぁぁぁぁあああ?!
いや、それもブチ切れんだけど、
そもそも、こういうのを付けられる状況を作ってる時点で
どーなんだって!!!!
男と2人きりにならなきゃ、
ぜってぇ付かねぇだろっ!!
イライラ……イライラ……
奥歯をギリギリと噛み締め、
腸煮えくり返るっつーのッ!!
「洗面所の三面鏡で見て来い」
「え?………うっ、うん」
俺の形相を、空気を読んだようで
怯えるように駆けて行った。
犯人は誰だ。
『やっくん』って呼んでる奴か?
いや、でも、
今日購買ですれ違った時は
そんな素振り微塵も見せなかったぞ、アイツ。
普通、付けてたら
挑戦的な視線浴びせて来るもんじゃね?
だとすると、誰?
俺の知らない男がいんのかよっ……。
「けっ、……慧…くんっ」
腕組して、冷視線を突き刺す。
絢は油断があり過ぎるんだつーのっ!
俺にはあってもいいけど
他の奴の前じゃ、
鉄壁でいて貰わねぇとマジで困るんだって。