ブラック王子に狙われて②
XIV ボタンの効能
・ボタンの行方
あっという間に卒業式の前日。
いよいよ明日で高校生活も終わりを告げる。
「答辞するの?」
「……ん」
「さすがだね」
「しなくて済むなら代わって貰いたい」
慧くんは、卒業生代表で答辞を読むらしい。
私の知っている彼はこの3年間、
常に優等生としてあり続けた。
だから、必然的に与えられた任務なのだろうけど。
「卒業式の後に、ユウとゆずちゃんと俺と絢の4家で食事することになってるらしいから」
「うん、聞いた」
「でさ、ユウと話したんだけど、両親に花束でも贈る?」
「あ~っ、いいかもっ!!」
「今ならまだ間に合うから、予約しとく?」
「うん、しとこ!ゆずにはユウくんが話してくれてるのかな?」
「ん」
「じゃあ、LINEで聞いてみるね」
「花束のセレクトする画面をグループLINEに張り付けとくな」
「お願いしますっ」
4人のグループLINEがあって、
Wデートする時とか、結構役に立ってる。
今後は、使う機会も減るかもしれないけれど
うちらの友情は、決してなくならないと思うから。