ブラック王子に狙われて②


卒業式は厳粛な雰囲気の中、執り行われた。

在校生代表の祝辞にジーンと来て、涙腺が緩み始めたら

慧くんの答辞で、完全に涙腺が崩壊した。

だって、この3年間が走馬灯のように思い出されて。

彼との想い出ももちろんあるけど、

ゆずやクラスメイトとの想い出も沢山あって。

まさかぐずぐずになるほど泣くとは思ってもみなかったのに。


教室に戻って、担任の話を聞いてる間も

私だけでなく、ゆずもクラスメイトも

涙を流す子が沢山いて。

最後のHRを終えた私達は、

担任からお揃いのタオルハンカチを貰った。

私達からは、花束と写真が沢山張り付けられたスクラップ帳と

それと、みんなで出し合ってネクタイをプレゼントした。


最後にクラスメイトと担任との写真を沢山撮って、

隣りのクラスやそのまた隣りのクラスの子とも写真を撮って。

ゆずと2人で特進科のある校舎へと向かう。


制服姿のメンズ2人とうちら2人の合計4人で写真を撮りたくて。

ゆずがユウくんに連絡してくれたお陰もあって、

空き教室に彼らはいた。


「お待たせ~」

「ゆずぅぅ~~っ」


相変わらずラブラブな2人。

暫く逢う回数が減ることもあって、

今を目一杯楽しむと決めたらしい。


私は慧くんの元へと歩み寄った、その時。

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