ブラック王子に狙われて②
言いたい事は全部ぶちまけて。
俺らは絢の部屋に移動した。
「あ、あの……」
「何」
「ぅっ……」
俺の声のトーンで、委縮する絢。
当然だろ。
俺、まだ、怒り治まってねぇし。
つーか、『たっちゃん』と『やっくん』兄弟の
売られた喧嘩を買うのはどこ行きゃあいいんだ?!
何もせずにそのまま流せねぇっての。
また仕掛けて来るかもしれねぇじゃん。
「慧くん……ありがと」
「……ん」
「ごめんね………変な気遣わせちゃって」
「隙がありすぎんだよっ、自覚しろ」
「う゛っ……」
「それと、さっき言ったの、本気だから」
「えっ//////」
「遊びで手出したわけじゃねぇし」
「//////」
「だから、他の男に触らせんな」
「っ///////はい//////」
「ん」
自分が座ってる隣りを軽く叩く。
絢は遠慮がちに隣りに腰を下ろした。
そんな彼女を余すことなく抱き締める。
さっきは泣き崩れてたから仕方なくハグしたけど。
ちゃんと全身で絢を感じたい。
このぬくもりは俺だけのものだから。