ブラック王子に狙われて②
Ⅱ 成長期…?
・カッコよさ割増し
6月上旬。
先月末にあった中間テストで
見事にクラス順位を8位に上げた。
毎日2時間くらい彼に教わっただけなのに。
彼の授業が1時間多い月水金は、
学校の図書館で過ごすようにして
その間に宿題をするようにしていた。
慧くんの勉強法はやっぱり私に合ってるようで
自分でも手応え感じるほど
彼のお陰で勉強が楽しくなって来た。
6月に入ると、衣替えという事もあって
ブレザー姿でなく、Yシャツ姿が眩しくて。
あっという間に夏になろうとしている。
「絢、どうした?」
「ううん、何でもない」
今朝自宅に迎えに来てくれた彼、慧くん。
サラッとした髪をワックスでアレンジしてあって
そんな髪に視線が釘付けになってると。
「髪、変か?」
「ううんっ、カッコいい」
「フッ、当たり前だろ」
「なっ/////」
余裕な笑みで歩き出す彼。
足が長いのは前からだけど
何だか、前にも増して長くなったような…?
というより、前より歩幅を合わせ辛くなって来た。
掴まれてる彼の手を握り返す。
それに気付いた彼が振り返った。