ブラック王子に狙われて②
口元を押さえて笑いを堪えてる。
それ、彼氏としてどーなの?
彼女の切実な悩みを笑うとか
めっちゃ失礼なんですけど!
ごめん、ごめんって謝ってるけど
全然誠意がこもってないから。
何気にバカにされてるの、分かるんですけど。
学校に到着した私達は、下駄箱で別れた。
教室へと上がる階段も棟が違うから別々なんだもん。
教室へと辿り着くと、
心の友のゆずが窓から彼氏のユウくんを眺めてる。
朝練を終えたユウくんが、
部員と仲良さそうに片付けをしていた。
「ゆず、おはよ」
「あ、おはよう」
相変わらず美人なゆず。
長いストレートの黒髪をポニーテールにしていて
色白の肌に黒々とした大きな瞳が印象的で。
最近、凄く色っぽくなって来た。
笑うとくっきりと浮かぶえくぼが可愛くて
ついついぎゅーしたくなる。
「何なにっ、どうしたの?!朝から猛アプローチして」
「えへへ」
ゆずは何でもズバリ言うタイプ。
まぁ、ユウくんの前では借りて来た猫状態みたいだけど。
少し大人びてる感じが羨ましい。