ブラック王子に狙われて②
「ん~、じゃあ、1教科毎に最高得点でも1つ聞いてやる」
「………それも超難関だよ」
「んだよっ、………じゃあ、クラスで5位以内!」
「ごっ、ごごごっ、5位?!無理ムリむり無理……」
「さっき言ったどもれ有効。満点でも最高得点でも5位以内でも。どれでも幾つでも有効にしてやるから、とにかく頑張れ」
本当は泊まりの件も伝えたいとこだけど。
それを話したら、絶対勉強に身が入らなくなる。
期末試験通り越して、
魂が夏休みにワープしそうで。
だから、あえて話さずにやる気を出させたい。
期末試験対策は俺に全権を委ねて貰ってるから
泊まりの話も両家で伏せて貰ってる。
まぁ、ユウの彼女から漏れる恐れ大だけど。
一応、ユウも内緒にするって言ってたし。
一先ず、目の前の試験を何とかせねば……。
「本当にお願いごとを聞いてくれるの?」
「おっ、やる気になったか?」
「だって、そんな美味しい話ないもん。嘘なら捻くれるよ、私」
「フッ、嘘じゃねぇよ。ちゃんと聞いてやるから」
「ホント?」
「しつけぇぞ」