ブラック王子に狙われて②
・念願の!!
「では、そこまで。後ろの席から回答用紙を前に集めて」
「……やっと、終わった」
7月1日から開始した期末試験が、
たった今、最終科目を終え、全てが完了した。
「職員会議があるから、このままSHR始めるぞ~」
1週間の試験を終え、皆疲労感が滲む中、
担任は解答用紙を回収し、お便りを配布し始めた。
放課後。
試験後というのもあって、
暫く特進クラスも普通科と同じ時間割で下校する。
だから、暫く慧くんと一緒に帰れる。
「絢、明日のことで今夜電話するね~」
「う~ん、分かったぁ」
明日は土曜日で、ゆずと一緒に買い物に行く予定。
というより、Wデートなんだよね。
ゆずとユウくん、私と慧くんで。
夏休みの為に買い物に行くって言われたけど
何を買うのかは知らされていない。
まぁ、勉強が忙しくて、それどころじゃなかったんだけど。
「絢、帰るぞ」
「あ、はいっ」
SHRが終わった教室に慧くんが迎えに来た。
教室のドアの枠柱に手をつき、中を覗いてる。
その姿でさえ、カッコいい。
ゆず以外のクラスメートの女子が、一斉に見てる。