ブラック王子に狙われて②
「絢、何飲む?」
「何でもいいよ」
慧くんの自宅に到着した私達は、
いつものルーティンのように飲み物を手にして2階へと。
センターテーブルにおやつとジュースを置いて
ラグの上に座ると、何故か今日は慧くんもラグの上に座った。
「どうしたの?」
普段しないことをされると、緊張する。
私、何かやらかしたっけ?
近くにいるというだけで、ドキドキしちゃう。
Yシャツのボタンを2つ開けてあって
素肌が眩しいというか、色気が駄々洩れで。
汗を掻かないのか分からないけど、
いつでもシトラス系の爽やかな香りを纏ってる彼。
そんな彼の視線が向けられたら、
胸がトクトクトクトクとやばいくらい早鐘を打つ。
「よく頑張ったご褒美、ハグしてやる」
「//////まだ結果出てないよ」
「投げ出さないでやり抜いたご褒美だから」
「//////」
どうしたんだろう。
無条件で甘やかしてくれるだなんて。
明日、台風でも来るんじゃないの?
「んだよ、俺様のハグは要らねぇのかよ」
「ッ?!い、要りますともっ、もちろんっ!!」
不要な疑いを持ってしまったら
彼の機嫌が速攻で悪くなりかけた……危ないアブナイ。