ブラック王子に狙われて②
ぎゅっと抱き締められ、優しく頭が撫でられる。
どこからともなく全身がシトラスの香りに包まれ、
贅沢な余韻に浸っていると。
「なぁ」
「……ん?」
「やっぱ、デカくなっただろ」
「………//////」
先週、慧くんに言われて、帰宅後に測ってみた。
そしたら、なんとっ!!
お胸が、お胸様が、遂に育ち始めたようで♪
ほぼペンタコと言っていいほどまな板状態だった胸が
少しふっくらとし出したと思ったら、
この1週間で、更に大きくなりつつあって。
最近は、朝晩計測して倖せを噛み締めてる。
A65だった胸のサイズが、今のブラではきつきつになって来て
ここ数日はパットなしで過ごしてる。
試験勉強に専念していたこともあって、
慧くんはそれを知らない。
だけど、男の子は抱き心地で分かるのか、
彼は胸の違和感にすぐに気づいた。
「自宅で測ったんじゃねぇの?」
「う、……うん」
「で?」
別に期待しているってほどの視線ではない。
元々、そんなに気にしてない彼だから
状況を把握したいだけなのかもしれないけど。
私からしたら、完全にカミングアウト状態で
疚しいことがあるわけじゃないのに、ドキドキが止まらない。