ブラック王子に狙われて②
「俺の予想だと、順位は4位か5位。英語と古語と現国は最高得点、もしかしたら、公民や世界史もいけそうな気がするけど」
「えぇぇぇえええっ?!」
「何だよ、その驚きよう」
「だって、ありえないもんっ」
「そうか?この俺が教えてるんだから、まぁ、下がることはないだろ」
「っっっ………」
ホント、芯はブレない。
俺様な発言と、自信満々な態度というか考え方というか。
確かに有言実行だし、全国模試でもトップクラスだし
普通科の試験範囲なんて簡単すぎると思うけど。
それにしたって、そんな何教科も……無理ムリ。
アハハハッと愛想笑いで誤魔化した。
だって、言い訳したら手を抜いたみたいに思われそうで。
100歩譲って謙遜したとしても、彼には通じない。
でもね、1教科くらいは最高得点取れたらいいなぁとは思ってる。
だから、淡い期待だけど
お願いごとは考えてある。
「慧くんは叶えるだけでいいの?」
「え、俺もお願いごとしていいの?」
「だって、あんなに沢山教えてくれたから、そのご褒美に」
「マジで……?」
あ、言わなきゃよかったかな。
彼の口角が緩やかに持ち上がり、
目が恐ろしいほどに妖美な色を滲ませてしまった。