ブラック王子に狙われて②
翌日の9時少し前。
自宅にゆずが迎えに来た。
「あぁ~、またそんな恰好して……」
ゆずは細く長い脚を存分にアピールするみたいにミニスカートで
フリル袖の可愛らしいブラウスを着ている。
長いストレートの黒髪は綺麗にお団子にアップされてて
首元にはユウくんからバースデープレゼントに貰ったというネックレスが光ってる。
私はというと、無難にカプリパンツにミニ丈のチュニックブラウスを合わせてて
そんなにおかしくないと思うんだけど
ゆずからしたら、デートコーデじゃないと却下された。
そして、クローゼットの中を漁り始め、
ゆずと同じタイプのミニスカートに
襟元にリボンが付いてるノースリーブのシフォンブラウスを私に差し出す。
「ダーリンのために、お洒落しないでいつ着るの」
「っっっ……」
ママが買ってくれた可愛らしいミニスカート。
いつもはショートパンツを好んで穿いてて
あまりミニスカートは穿かないんだけど。
ゆずの言う通り、デートの時に穿かなかったら
ずっと仕舞いっぱなしだもんね。
「髪もセットしてあげるから、早く着替えて」
「……ん」