ブラック王子に狙われて②

・真っ只中



「ゆずぅぅぅぅ~~っ」

「大丈夫だってッ!!」

「でもっ……」


朝食を食べ終えた私達は、身支度を済ませてビーチに集合らしい。

千穂さん夫婦はクルージングに出かけた。


ゆずと色違いの水着を着たのはいいけど

どうしても部屋から出る勇気が出ない。


フリル使いのビスチェタイプで

ゆずは黒、私は白のトップス。

肩紐のところにもフリルがあしらわれてて

ポイントでパールが散りばめられている。

ギンガムチェックのスカートタイプで

ビキニなんだけど、普段着に見える感じで

ガーリーだけどトレンド感のある水着。

ゆず一番の推しは、背中のレースアップ。

ユウくんを瞬殺したいらしく、これに決まった。

前から見たら露出度は少な目だけど

後ろに回ったら、絶対慧くん引くと思う……。


「プライベートビーチなんだから、いいじゃん。他の人に見せるわけじゃないしさ」

「それはそうなんだけど……」


そもそもビキニなんて、着ようとも思わなかったのに。

ゆず仕様の水着はハードルが高すぎる……。


「ほら、メンズ待たしちゃ可哀そうだから、行こっ」

「う゛ぅっ……」

< 75 / 288 >

この作品をシェア

pagetop