ブラック王子に狙われて②
・真っ只中
「ゆずぅぅぅぅ~~っ」
「大丈夫だってッ!!」
「でもっ……」
朝食を食べ終えた私達は、身支度を済ませてビーチに集合らしい。
千穂さん夫婦はクルージングに出かけた。
ゆずと色違いの水着を着たのはいいけど
どうしても部屋から出る勇気が出ない。
フリル使いのビスチェタイプで
ゆずは黒、私は白のトップス。
肩紐のところにもフリルがあしらわれてて
ポイントでパールが散りばめられている。
ギンガムチェックのスカートタイプで
ビキニなんだけど、普段着に見える感じで
ガーリーだけどトレンド感のある水着。
ゆず一番の推しは、背中のレースアップ。
ユウくんを瞬殺したいらしく、これに決まった。
前から見たら露出度は少な目だけど
後ろに回ったら、絶対慧くん引くと思う……。
「プライベートビーチなんだから、いいじゃん。他の人に見せるわけじゃないしさ」
「それはそうなんだけど……」
そもそもビキニなんて、着ようとも思わなかったのに。
ゆず仕様の水着はハードルが高すぎる……。
「ほら、メンズ待たしちゃ可哀そうだから、行こっ」
「う゛ぅっ……」