ブラック王子に狙われて②
日差しが強くて、肌がジリジリと焼ける感じだけど
海の中は冷たくて気持ちいい。
泳ぐのは苦手じゃないけど、
流されたら怖いから、
ついつい慧くんの傍から離れられない。
ゆずはバナナボートに乗って
ユウくんがゆずにちょっかい出してる。
いつ見てもラブラブな2人。
うちらは大きめな浮き輪にそれぞれ乗って、
手を繋いて浮いてるだけ。
サングラスしてるけど、変な焼け方しないかな……。
「なぁ、絢」
「ん」
「それ、パット使ってんの?」
「へ?」
流れる雲を見ていたら、
突然、慧くんが核心を突いて来た。
「どう……思う?」
「ん~、分かんねぇ。入ってても薄めのタイプかな?とは思うけど」
私が『痛みがある』と伝えて以来、
彼は胸を触ろうとしなくなった。
というか、ハグも我慢してるっぽい。
キスは相変わらずして来るけど、
それ以上はしないで我慢してるみたい。
繋いでる手をぎゅっと握って、引き寄せた。
お互いの浮き輪がポンとぶつかり、
自然と視線が絡まって―――彼の耳にそっと呟いた。
「Cカップになったの//////」
「はっ、マジで?!」
「うん//////」