ブラック王子に狙われて②
16時少し前に正面ゲート前に到着した俺ら。
ユウたちと合流すると、程なくして千穂さん夫婦も現れた。
ん?
あ、……今朝は無かったのに。
チューブトップのマキシ丈ワンピを着ていた千穂さんの首と鎖骨周りに
見事に幾つものキスマークがついていて。
さすが、新婚さん。
人目も気にせずラブラブぶりがハンパない。
ってか、俺が絢に付けてるキスマークも
あんな感じに見えるんだろうな、きっと。
「姉貴っ、少しは節操考えろよっ」
「いいじゃないっ、新婚旅行なんだからっ」
「悪いっ、ついつい」
瑛太さんは少し気まずそうに視線を逸らした。
「道が混みそうだから、そろそろ行きましょうか」
「賛成~~っ」
助け舟を出すと、絢がそれをフォローしてくれた。
**
別荘へと戻る道中にレストランで食事を済ませた。
千穂さん夫妻はナイトシュノーケリングのツアーに出かけ、
ユウとゆずちゃんは、昨日に続き映画を観ると部屋に籠った。
たぶん、邪魔されずにいちゃつきたいんだろうな。
ってか、俺もなんだけど……。