ブラック王子に狙われて②
「絢、俺らどうする?」
「どうしようか」
絢とゆずちゃん、俺とユウの部屋割りなんだけど。
暗黙の了解というのか、
俺と絢、ユウとゆずちゃんになりそうな予感。
だってさっき、ユウから『絢ちゃんの部屋で休んで』と言われた。
千穂さん夫婦いるのにいいんだろうか?
まぁ、新婚さんだから、俺らのことは気にする余裕無いか。
「とりあえず、交替でシャワー浴びる?」
「え?」
「ユウに部屋追い出されたから、俺」
「えぇぇぇえええっ?!」
「ん、あそこに荷物置かれてるし」
「っ……ホントだっ」
部屋の隅に俺のキャリーケース置かれてるし。
完全に帰ってくるな的な通告を受けたっぽい。
「仕方ねぇな、ここ、ユウんちだから」
「………そうだね」
「絢、時間かかるだろ。先入って来ていいよ」
「いいの?」
「ん、入って来い」
「じゃあ、お言葉に甘えて」
「何なら、一緒に入ってやろうか」
「ッ?!いえ、結構ですっ!!」
「フッ」
ベッドにダイブして目を閉じると、
絢はガサゴソと荷物を漁り始め、
程なくしてバスルームのドアが閉まる音がした。