ブラック王子に狙われて②


「絢、宿題結構進んでるね」

「慧先生のお陰でね~」

「さすが、慧くん」


今日はゆずが自宅に来るということもあって

慧くんとは会わないけれど、

いつもなら、毎日のようにお互いの家を行き来して

宿題を中心に勉強を教えて貰ってる。


人混み嫌いだし、外は暑いし。

つい先日、沖縄旅行に行って来たばかりだから

別にこれといって他の予定を立ててないというのもあるんだけど。


ゆずは夏祭り特集の雑誌を広げ、

次から次へとポストイットを付けまくってる。


「絢、こーいうのはどう?」

「何か、凄く色っぽいね」

「でしょ?こんな感じに纏めたらメンズ2人喜びそうだよ」

「フフッ、メンズ2人じゃなくて、ユウくん限定でしょ?」

「っ/////慧くんもだよっ」

「あーはいはい」


来週末にある夏祭りに、4人で行くことになってるんだけど。

ゆずは髪形とかメイクを研究中。

もっとユウくんを虜にしたいらしい。

私から見たら、十分すぎるほどメロメロだと思うけど。


「絢の浴衣、何色?」

「私のは白地に薄紫の菊と撫子柄」

「白かぁ、いいなぁ。私が白着ると浮くから着れない」

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