ブラック王子に狙われて②
掃除モップを手にして廊下を掃除していた慧くんママ。
鏡越しに笑顔でご挨拶した、その時。
脳裏を過った、あの計画を……。
「あのっ」
「ん?」
「来週末にお祭りがあって、慧くんとユウくん達と出掛けるんですけど」
「あら、いいわねぇ~」
「慧くんって、浴衣持ってますか?」
「慧の?……あったと思うけど?」
「では、当日、慧くんに着せて貰えますか?ユウくんも浴衣で来るみたいなので」
「浴衣デートってわけね?」
「っ/////はいっ//////」
「身長も伸びたし、新しく作った方が良さそうだから、明日早速連れて行って来るわ♪」
「ホントですか?!」
「えぇ、私、絢ちゃんの味方だから♪」
「キャアァ~ッ、ありがとうございます!!」
「ちなみに、絢ちゃんは何色の浴衣なの?」
「私のは白です。白地に薄紫の菊と撫子柄です」
「白地に薄紫の菊と撫子……。それに合う生地にしといてあげる♪ウフフフフッ」
「っ/////ありがとうございますっ!」
慧くんママは口元を押さえて微笑んだ。
女優さんのように目鼻立ちが整っていて、
いつみても綺麗にお化粧もされてる。
色気が駄々洩れなのは、ママ似なんだよね~。