彼と。










「それで戸倉寛之さんはどこですか?」





「あーあ、忘れてたよ。....ついておいで」





その人はあたしの手を掴み、廊下を歩く。



すれ違う人からの視線が痛い。







「おい、寛之!美波ちゃん来たよ..」




「美波!こんなとこまでどーした?俺に会いたくなったか?」






半笑い気味で言う。



「なわけないでしょ!」






そう言うと爆笑した。




「で、なに?」



「何で放課後待ってなきゃダメなの?」







「俺の父親からの招待だ。受けないとどうなるかな?」



「行きます。行ったらいいんでしょ?」







「いい子だな」



頭の上に手を置き、ワシャワシャされる。


もう!髪ボッサボサじゃん!






「んじゃ後で。」












< 12 / 17 >

この作品をシェア

pagetop