彼と。
アイツの呼び出しから帰ってくると、ゆりは別の子といた。
「あたし、杏珠っていうの。美桜たんよろしくね」
「うちはミヤビ。よーろーしーくー」
「ゆりは大阪からの転校だけど、小学校から仲良いよ」
だから関西弁ね。
二人共仲良くなれそう。
「で、美波は寛之さんの婚約者なのね。」
「寛之....さん」
「もしかして今日知ったの!?」
すごく大きな声でミヤビは驚く。
「うん。さっき初めて聞いた」
「だからあんなに驚いてたんだー!はははっ」
「令嬢にして、16歳で婚約者かー....」
杏珠が呟く。
「そっか。あたし恋愛できないんだ...」
「決められた人と結婚って苦しいねー。でも寛之さんなんだから!」
「だよね、そのうちライバルとかに睨まれちゃうんじゃない?」
「えっ、あーあっ!あたしの楽しい高校生活が...」
寛之さんって、何者なの?
そんなに凄い人?