キミの好きなところ。
 

―――


たったの数日なのに、すごく長く感じた。
やっとで待ち遠しい日が訪れた。

…先生の背中に抱きつくことをやっと許される、その瞬間が。



チャイムを鳴らして、ドキドキしながら先生の部屋のドアが開くのを待つ。

――カチャ

ドアの隙間から覗くのは、愛しの人の笑顔。
その笑顔に、緊張が少しだけほどけた。

「…先生、こんにちは」

「――鈴。いらっしゃい。…入って」

学校では見せないような柔らかい笑みを浮かべ、先生は私を部屋の中へと促した。


 
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