キミの好きなところ。
先生は私の体重と衝撃で前のめりになってる。
転ばなかったのは、手を伸ばしたところに壁があったから。
「ちょ…っ、藤原、離れろって!」
先生は焦った様子で、背中にしがみついている私のことを見ようとする。
「やだっ!だって、こんなチャンス、二度とないもん!」
今のうちに、先生の体温を感じておくんだから!
広い背中を堪能しておくの!
「お前はアホかっ!誰かに見られたらどうす…」
「そんなの、私が勝手にやったことにすればいいでしょ!?いいもん、私どうなっても!先生のこと好きだから、この行動を後悔なんてしない!」
「いいわけないだろ…っ!」
先生は私の身体を無理矢理引き剥がした。
やだ、離れたくないのに…!
先生の困ったような怒ったような表情を認めた瞬間、私は力が抜けて、しゃがみこんでしまった。