キミの好きなところ。
 

「…頭ではわかってるんです。私の気持ちが届かないことくらい」

「…」

「わかってる、けど…」

「…」

「先生のことが本当に…すごく好きなんです。気持ちが止められなくて…」

どうしても諦められなかった。

…でも、そんなの私のワガママで、先生にとっては迷惑なだけ…

「…迷惑かけてごめんなさい…」

「…藤原。顔上げろ」

先生はそう言うけど、私は聞かない。

「…先生の背中に抱きつけたし…頑張って………………」

「…」

「頑張って…………………諦め…」

「…」

「…………きれないけど…卒業するまでには…そうできるように、努力、します」

…まだ2年以上あるけど…。

「しつこくてごめんなさ…っ」

ビクンと私の身体が揺れた。

…先生の手が私の頭を撫でたから。

 
< 42 / 101 >

この作品をシェア

pagetop