キミの好きなところ。
 


そう、目で訴えた刹那――


「―――!?」


あなたがいとも簡単に指輪を外した。

一度も外したところを見たことがなかったのに。


「………はい。あげる」


目の前に出される指輪。


「え…?」


「もう、必要ないし」


………どういう、こと…?

訳がわからない、という表情をしている私に向かって、あなたはイタズラっ子のように笑う。


「――もう、女避けの飾りはいらない。今度、一緒に新しい指輪買いに行こう」


そう言って、あなたは私に甘い甘いキスを落とした―――。


 
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