キミの好きなところ。
 


「じゃあ、お楽しみの前に。花火、見に行こうか」


あなたは笑顔で私に手を差しのべる。


でも…


「………待って」


私はそれをスルーして、あなたの浴衣に両手を伸ばした。


「………ん?なに?」


あなたが私を不思議そうな目で見るけど、私はすぐに答えなかった。


胸元が見えないようにと、私はあなたの浴衣の襟元をきゅっと締める。


 
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