キミの好きなところ。
 


彼は私の高さに合わせて身体を屈めているから、私たちの顔の距離は近い。

髪の毛から滴り落ちる雫。

頬を流れる雫。

―――ドキドキする…。

心臓飛び出しちゃいそうだよ…。


――水も滴るいい男――


この言葉は彼のためにあるんじゃないかと思うくらい。

私の視線に何か意味を感じたのか、彼が口を開いた。


「……何考えてんの?」


「え?…別に、何も?」


私はごまかす。

あなたの濡れた肌がセクシーで、みとれてました。

…なんて言えるわけないから。


 
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