虹色sketch
屋上に置かれた、少し古めのベンチに座る。
春の暖かな風が頬を撫でる。
そして髪を靡かせる。





いつもは開くことのない屋上のドアが、
開く気配した。





そこからは、背の高い男が入って来た。






『え...?』





声は聞こえないけど、
驚いているようだ。






私はベンチを立ち、屋上を後にした。
行く場所も見つからず、
中庭の木の下に座った。





まだ桜が咲いていて、
ひらひらと空を舞っていた。





色は褪せて見えるけど、
きっと綺麗なんだろうな...





『やっとみつけた...』





顔を上げると、さっき屋上でみた
男の人が立っていた。

















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