恋愛喫茶店 ~恋と一緒にスイーツを~
「貴方も本当は、皆にいて欲しいんでしょう?皆さん全然帰りたそうな顔もしてないし。だったら、ここでお祝いパーティーでもしたらどうです?」
「で、でも・・・マスターはいいんですか?最初はミィと私の2人だけで来たのに、いきなりこんな人数にまでふくれ上がっちゃって、迷惑じゃありませんか?」
いいえ。と言いながらマスターが笑う。喫茶店に人が来てくれたのを心底歓迎しているような、暖かい笑顔だった。
「店の入り口に『1日1組』と書いてあるでしょう?この人達は、貴方の恋を応援してくれた、大事なクラスメイト。なら、問題無いじゃないですか。」
「皆さんの分のガトーショコラを用意してきますね。狭い所ですが、いっぱい楽しんでください。」
テーブルにミィのガトーショコラを置いて、再び戻っていく。これから忙しくなることを喜んでいるのが背中から伝わってきた。
「ほら、綾瀬さんも手伝って!!お菓子を盛り付けて、ジュースを注いで、やることいっぱいあるんだから。」
私を励ます為の集まりはいつの間にか、私をお祝いする為の集まりに。
「わかった!ほら、ミィも手伝うんだよ。ケータイ持ってぼ~っとしてないでさ。」
ミィの手を引いて、皆の準備を手伝いに行く。
成瀬君とは違う種類の元気をくれる、クラスの皆へのありがとうの気持ちを忘れないように今はこのパーティーを思いっきり楽しもう。