恋愛喫茶店 ~恋と一緒にスイーツを~


「そういうミィはどうなの?恋愛したことある?」


私はミィに、逆に質問してみることにした。


ミィは結構モテてるし、きっと人並みに恋愛したことがあるはずだと
思ったから。


「う~ん、ちょっとイイなって思う人はいたけど、好きまではいかなかったかも。」


でも、返ってきた言葉は、私の予想範囲外だった。
驚きに、声が裏返りそうになりながらも、ミィに質問を続ける。


「じゃあ、ミィは恋愛したこと無いの?」


「そうだよ。だからコトに聞きたいよ。人を好きになるのってどんな感じ?」


今度はミィが、私に質問する番。
ミィの目は真剣で、私の言葉を一言一句逃さないつもりだ。


だから、私は思ったまま、感じたままを口に出す。


「朝起きて好きで、昼に授業受けてる時も好きで、夜寝る直前も好きだよ。」


「…え?ちょっと良くわからないんだけど。」


ミィの疑問はもっともだった。
だけど、言っている私自身も、よくわからないのだから仕方ない。


「なんて言えばいいのかなぁ。成瀬君が取り憑いて、頭から離れないって感じ。」


ユーレイとか霊的な物ではなく、本当にそんな感じなのだ。

他の考え事をしていても、頭の片隅には常に成瀬君がいる。


一時期流行した「脳内メーカー」で、自分の名前を入力すれば、
「成瀬君」が、沢山出てくるかもしれない。


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