恋愛喫茶店 ~恋と一緒にスイーツを~
「おはよ~。」
ホームルームが始まる20分前の教室には、いつもより人が沢山居た。
「おはよ~。」
「ういーっす。」
いつものやりとり、いつもの挨拶。
1日が始まったと感じながら、席に着く。
左側の窓際の前から2番目の席が、この教室での、私の世界だ。
「コト、おはよ~。ねえねえ、今日英語の抜き打ちテストあるってホント?」
前から3番目の席の子が、ポンポンと私の肩を叩いて振り向かせる。
「おはよ、ミィ。あると思うよ。昨日、クラスメイトの子が職員室に行った時
テスト作ってたって言ってたし。」
クラスを良く見てみると、皆おしゃべりしながらも英語の教科書を開いていた。
いつもより人が多い理由はこれだったのね。
「いいよね、コトは英語得意だし。私はいっつも赤点ギリギリなのにさぁ。」
頭を抱えながら、教科書を開くこの子は、若宮 美園(わかみや みその)
中学1年からの付き合いで、もうかれこれ5年近く仲良くしてる。
持ち前の明るさと、元気イッパイな笑顔が特徴の少し小柄な女の子で
男子からも結構モテる。……ちょっと羨ましい。