恋愛喫茶店 ~恋と一緒にスイーツを~


「ふぅ~~~。今日も間に合ったぁ!」


ガラガラと戸を開けて、私の大好きな、成瀬君が教室に入ってくる。


「おはよう、成瀬~~。」
「成瀬君、おはよう。今日は英語の抜き打ちテストだよ~。」


クラスメイトが次々に、成瀬君に挨拶する。

ああっ!抜き打ちテストは私が教えてあげる予定だったのに…
話しかけるネタが無くなっちゃったじゃない!


「マジで!?俺、全然勉強してきてないよ!しかも英語1時間目じゃない?」


あちゃーって感じで手を額に当てながら、席まで移動していく。
そんな成瀬君を見て、教室からドッと笑いが起きる。


いつもクラスのムードメーカーである、成瀬 進(なるせ しん)君に
私は今、恋をしている。


容姿端麗、成績優秀、スポーツ万能…ってわけじゃなくて
ホントに普通の人なんだけれど、

笑顔と性格の良さにベタ惚れ
してしまっているのだ。


そんな成瀬君の席は、なんとなんと私の1つ前ですよ。
あの時、引いたくじには本当に感謝しています。


ちょっとずつ成瀬君が近付いてくる。
おはようっていうなら席に座ってからの方がいいのかな?


よし、席に座った!
私は成瀬君におはようと挨拶しようとした瞬間、


「おう!おはよう綾瀬~。」


成瀬君が振り向いて先手を取ってしまっていた。
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