恋愛喫茶店 ~恋と一緒にスイーツを~

12時間前の出来事


「花火ぃぃぃ!?」

私の耳元で花火が上がった。

ミィの驚きは、そのまま声量の大きさへと変換されてしまったらしい。


「ち、ちょっと!もう夜中だって!声、声!」


今は深夜0時。普段はこんなに遅くまで起きていることはないのだけど、明日が振り替え休日の為、テンションが上がってしまって眠れなくなっていた。


「あ、ゴメンゴメン。私は花火が上がる前に帰っちゃったから、見れなかったけど、綺麗だった?」


「うん。一発だけだったけど、凄い大きくて綺麗だったよ。」


「んで、その凄い大きくて綺麗だったモノに告白を邪魔されたと。」


「・・・まあ、そうだね・・・」


ふぅと溜め息。眠れなくなって、ミィに電話したまでは良かったんだけど、失敗の事実を思い出して、テンションがガクっと下がってしまった。


「何とかして告白できなかったの?2人きりだったんでしょ?」


「そうそう!ちょっと聞いてよ!それがね・・・」


「ち、ちょっと!もう夜中だって!声、声!」


「・・・ゴメン。」


見事にミィに注意されてしまった。人のふり見て我がふり直せとはよく言ったものだ。

気が付けば、空いた右手でクッションをぽむぽむと叩いていた。自分でも気付かない内に興奮していたらしい。今日は本当にテンションの上下が激しい日だ。
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