恋愛喫茶店 ~恋と一緒にスイーツを~
「……あ……う……」
すぐ目の前に成瀬君の顔がある。
ふにゃっとした笑顔に見とれて声が出ない。
あいさつ、アイサツしなきゃ!
「う、うん。おは…」
「おーい!お前ら席に着け。ホームルーム始めるぞ!」
ええーっ!先生タイミング悪すぎるって!
さっきの挨拶がウヤムヤになっちゃったじゃない!
もう、皆は前を向いて席に着いていた。
私と成瀬君の、貴重な会話の時間を邪魔した先生の話は
聞き流してやろうと窓の外に目を向けた。
8時50分から始まったホームルーム。
その5分後に放たれた先生の一言はとても聞き流せるものではなかった。
「成瀬君が転校するそうだ。」
……はい?