恋愛喫茶店 ~恋と一緒にスイーツを~

「ところで、成瀬君のとこの今日の晩御飯は一体何なの?」


2人で長方形を描くように店内を移動して、食材を買い求めていく。

最初にカゴに入ったのは海老。20尾入り498円のお買い得パックだ。


「なんだろう?料理作る機会が無いから、このメモ見ただけでは分からないなぁ。」


「ちょっと見せてみて。・・・何だろう?海鮮野菜炒めとか?」


イカをカゴへ。くるりとロール状になったイカが3つ並んで冷凍されていて、パッケージを手に取るとひんやりと冷たかった。


「へぇ、パッと見だけでよくわかるな。綾瀬は料理上手なのか?」


続いて野菜コーナーへ。地元密着タイプのこのお店は、地元の農家が作っている野菜も多く置いていて、とれたての野菜を買うこともできる。


「ま、まぁね。大体の料理は、ちょちょいのちょいって感じみたいな?」


ああ、神様ごめんなさい。人生の中でベスト5くらいに入る派手な嘘を吐いてしまいました。


でも、嘘を吐いてでも好きな人に良い所を見せたいと思う気持ちは、嘘じゃないから許してほしいのです。

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