恋愛喫茶店 ~恋と一緒にスイーツを~
「育ち盛りだし、沢山食べていってね。」
体育会系の男子高校生に言いそうなセリフを私に向けて、大量に天ぷらの入ったお皿をテーブルに持ってきた。
「ちょっと買いすぎたみたいだし、遠慮なくいっちゃってくれよ。んじゃ、俺もいただきます。」
成瀬君は早速、揚げたての海老を天つゆに付けて、ご飯と一緒に食べ始める。
「お母さんありがとうございます。いただきます。」
私もお礼を言って、サツマイモにかぶりつく。揚げたてでホクホクしてて、もう何個でもいけそうな位美味しかった。
「ねえ、文化祭はどうだった?楽しかった?」
成瀬君のお母さんは、必死にご飯を食べている私達2人を嬉しそうに見つめながら聞い
てくる。
私と成瀬君はうんうんと頷いて、文化祭が楽しかったことを伝える。言葉で伝えたかったのだけど、口の中は食べ物でいっぱいで、さすがに喋るわけにはいかなかった。
「あ~、懐かしいわね文化祭。皆で準備して、皆で頑張って。あの時は本当に楽しかったわ。」
遠い昔を思い出すかの様に、目を細めながら肘を付いてぼんやりして、しみじみと語り出す。
「・・・まぁ、灰まみれで帰ってくるなんてことは私の時には無かったんだけど。進、あんた一体何してきたのよ?夜だから気付かなかったのかもしれないけど、制服が灰まみれだったんだけど?」