恋愛喫茶店 ~恋と一緒にスイーツを~
「ミィ、私ね。一週間前は、ただ告白ができればいいなって、そう思ってた。」
成瀬君に自分の気持ちを伝えるだけで、自分は満足するのだと、満たされるのだと思っていた。
「でも、今気付いたの。成瀬君に告白して、恋人になりたかった。」
ただ告白するだけの「勇気」と、恋人になる為に告白する「勇気」は全然種類が違うもので、勇気を出す為の、決意のレベルも違う。
ただ告白するだけなら、結果はどちらでもいいけれど、恋人になる為にはOKの返事が必要になる。
「成瀬君の為」の告白は、いつの間にか、「私と成瀬君の為」の告白にすり替わっていて。
「告白して、返事をもらうのが凄く怖かった。もしダメだったらどうしようって、フラれたらどうしようって。」
これが、告白できなかった理由と、私の本当の気持ちだった。
成瀬君に想いを伝えたい。
でも、自分が辛い思いをするのは嫌だ。
この2つがごちゃごちゃになって、自分がどうすればいいのか、わからなくなってしまった。
「好きってだけじゃ、物足りなくなって、成瀬君と一緒に幸せになりたいって本気でそう思った。」
ようやく辿り着いた。自分の本当の気持ちに。
だけど、辿り着くのがあまりに遅すぎた。全てが終わってしまった後に気付くなんて、自分のバカさ加減に泣いてしまいそうだった。