恋愛喫茶店 ~恋と一緒にスイーツを~


「おはよっ!ミィ。」


「コト、おはよ~。って、もうホームルーム始まっちゃうよ。こんなに遅いなんて珍しいね。」


「それが、ちょっと寝坊しちゃって・・・」


家から学校まで、徒歩で20分かかるところをダッシュで約7分短縮して、最速記録を更新した私は、8時50分から始まるホームルームの2分前に、教室に滑り込むことに成功した。


「それで、そんなにスッキリした顔してるんだ。すんごい汗ダラダラだけど。」


昨日、お風呂に入った後、泣き疲れてしまったのか一瞬で眠りに落ちた。

目もウサギじゃなくなって、気持ちもスッキリしたのだけど、代償として、いつもより多めの睡眠時間を支払うハメになった。


「そう。ずっとダッシュしっぱなし。いいよね、ミィは自転車通学できて。ああ、私の家が学校からもう少し遠かったらなぁ。」


自宅から学校までの距離が5キロ以上なければ、自転車通学の許可はもらえない。残念ながら、私の家から学校までは2キロ程度しかなかった。


「自転車も結構大変なんだよ?走ってる途中に、服に虫は張り付くし、虫が目に当たったりもするし、口の中に入る時だって・・・」


「よし、ホームルーム始めるぞ。着席しろ~。」


ミィから、昆虫の恐ろしさをたっぷりと教えてもらった所に、担任の宮本先生の声が混じる。


英語の教科書を手元に持っているということは、今日のホームルームは長くなるみたいだ。

ホームルームが終わって、直ぐに授業を始められるようにする為に、長くなる時にはいつも教科書を持ってやってくる。

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