恋愛喫茶店 ~恋と一緒にスイーツを~
「あの~、他にお客様いないんですか?」
ミィが尋ねる。この質問は結構キワドイ質問のような気がするんだけど・・・
「ええ。このお店は1日1組限定なんですよ。私1人で切り盛りしてますから。」
そんなキワドイ質問を、何度もされたことがあるのだろうか?マスターは笑って返事をする。
周りを見渡すと、大きめのテーブルに、沢山の椅子。どう見ても、15~20人くらい入りそうなのに、どうして1組限定なんだろう?
「それで、お話をしてくれるのはどちらですか?」
そんな疑問はマスターの声に上塗りされる。ミィが私を肘でツンツンとつついて急かす。
「はい。私です。あの、本当に話をするだけでいいんですか?」
「勿論ですよ。聞かせていただけますか?貴方のお話を。」
高すぎず、低すぎない中性的な優しい声に、話してもいいかなって思い始めていた。
男の人なのに、時々女の人っぽい優しさを見せる、不思議な雰囲気を持っている人。気が付けば私の口は開いていて、
「私、好きな人が一週間後に転校しちゃうことになって、それで・・・」
これまで起こった一週間の出来事を話し始めていた。