恋愛喫茶店 ~恋と一緒にスイーツを~

精一杯の3000円



「そうですか・・・まだ返事はもらえていないんですね。」


「はい。そうなんです。ありがとうって言われただけで、きちんとした返事はもらえてなくて。」


私が話し終えると、今までずっと静かに聞いていたマスターが口を開いた。


「話を聞かせてくれて、どうもありがとうございました。それでは先にお飲み物をお持ち
しますので、どうぞごゆっくり。」


マスターは静かに歩いて、店の奥に消えていく。店のど真ん中に私とミィが取り残された。


「ね?今のでほんとに大丈夫なのかなぁ?」


「飲み物までサービスしてくれるんだぁ。至れり尽くせりじゃない。それよりさぁ、ここのマスターちょっと格好良くなかった?こう、大人の魅力~って感じで。」


「もう、ミィ。私の話、真面目に聞いてないでしょ?・・・でも、確かに格好良かったかも。それに、優しそうだったし。」


「あ~~~っ!!コト、もう浮気するつもり!?」


「ち、違うよ!違う違う違うったら!!私は100%成瀬君一筋だから!」


ついつい、ミィにのせられて凄く恥ずかしいことを言ってる気がするんだけど、ミィ以外には聞かれてないし、いいかなぁ。


「お客様、お飲み物をお持ちいたしました。ケーキの方もすぐ取ってまいりますので、しばらくお待ち下さい。」


音を立てずに静かにやってきたマスターが、音を立てずに静かにグラスをテーブルに置いた。透明なグラスから、オレンジ色の液体が見える。
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