恋愛喫茶店 ~恋と一緒にスイーツを~

「・・・え?・・・マジで?」


成瀬君が、全ての感情が抜け落ちたような空っぽの声を出す。ただ単に、目の前の出来事を受け止めただけのような空っぽの声を。


「うん。マジです。」


私達はまだまだお互いのことを知らない。時間にするとたった1週間という、とても短い時間しか関わりを持っていない。


お互いのことを知らないから、こういう失敗や間違いが起こる。

でも、逆に言えば、お互いを知ろうとするから、こういう失敗や間違いが起こるんだ。


「気にしないで。私はこういう間違い、凄い嬉しいから。想ってくれてるってわかるから。」


それに『繋がる』為の指輪なら、きっと薬指より小指の方がお似合いだと思う。


「成瀬君、私待ってる。だから、約束して。絶対に帰ってくるって。ゆびきりげんまんして、私に証明してみせて。」


だって、約束するといえばやっぱり、小指と小指を絡める『ゆびきりげんまん』だと思うから。
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