溺愛ごっこ
久世がフッと笑う。

「どうせなら名前で呼んでもらった方がいいじゃん。

今すっげーいいとこなんだしよォ」

チュッと、唇に軽くキスされた。

「呼んでよ、亜美」

いつの間にか、呼び捨てだった。

さっきまで“亜美ちゃん”だったのに。

「呼ばなかったら一晩中このまんまだぜ?」

「ッ!」

想像したんじゃない。

「ハハ、想像しちゃった?

エロいね」

どっちがよ!

「――理人」

悔しいから、呼んだ。
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