溺愛ごっこ
「いやあっ…!

もおっ…!」

「ああ、一緒にな…」

ねじ込まれた腰に、頭が真っ白になった。

唇から出てくるのは荒い呼吸。

「――亜美…」

チュッと、額に唇が落ちてきた。

「俺…マジで手放せなくなったかも知んねー…」

ため息混じりに久世が呟く。

あたしはぼんやりとそれを聞いていた。

だんだんと意識が遠くなる。

「マジで彼氏と別れて…」

久世の言葉を聞きながら、あたしは目を閉じた。
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