溺愛ごっこ
「亜美ちゃんが猫だったら、俺絶対飼うな。

こーんなかわいくて一途な子、俺大好き」

額に落ちてきた唇。

思わず目を細めた。

「かわいい」

久世が抱きしめる。

かわいいって…。

社交辞令に決まってるじゃない。

久世のことだから、きっと誰彼構わず言ってるに決まってる。

そう思いたい。

でも、
「かわいい…」

まるで大事な宝物を扱うかのようなその声。

愛しくて仕方がない、とでも言うように。
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