溺愛ごっこ
「亜美ちゃん」

久世があたしを呼んだ。

「自分で話をつけるなら、早いうちにつけた方がいいぜ」

その言葉にあたしはうなずいた。

「な、何だよ」

バシンッ!

乾いた音が響いた。

久世がピューと口笛を吹く。

「あたし、もうあんたの彼女じゃないから。

彼女じゃないから殴ったって文句言えないでしょ?」

彼氏が信じられないと言う顔であたしを見つめた。

信じられないのはこっちのセリフだ。

今の今まで騙してたんだから、信じられないって言う話だ。
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