溺愛ごっこ
彼氏の拳を久世は手のひらで受け止めた。

「殴ったら傷害罪で訴えるって言ってるでしょー?

って言うか、逆ギレ最低。

って言うか、暴力反対」

久世は彼氏の手をひねりあげた。

「イデデデデッ!」

「誓いな。

もう2度と亜美ちゃんに近づかない、って。

それと、現れないって。

そしたら手は折らないでやる」

「わ、わかった!

もう近づかない!

もう現れないから!」

半分ベソをかきながら彼氏が叫ぶ。
< 28 / 65 >

この作品をシェア

pagetop