溺愛ごっこ
「オネーサン、荒れちゃってる系?」

その声に視線を向けると、いつの間にいたのだろう?

男が隣に座っていた。

「何で?」

あたしの問いに、
「ピッチが早ェから」

男は飲む仕草をしながら答えた。

飲むピッチが早いから荒れてる…か。

「彼氏に振られました的な?」

見抜かれた。

「ありゃ、図星か」

男は信じられないと言うマヌケな顔をしていた。

当てたのは自分のくせに。

あたしは息を吐く。
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