溺愛ごっこ
「兄貴や妹によく言われるから気にしてねーけど…」

久世はムッとしたように唇を曲げた。

兄妹いるんだ。

「3人兄妹の真ん中」

「へっ?」

「上に兄貴、真ん中に俺、下に妹」

「…ああ、そう」

意味がわかった。

「妹が同じ目にあったから、亜美ちゃんのこと助けたかったって言う気持ちもあったかも知んねー」

「そうなんだ…」

「そんな妹も、今は一途に思ってくれる相手に出会えて幸せになってる」

久世はフフッと笑った後、コーヒーを口に含んだ。
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