溺愛ごっこ
最後のところは、完全に早口だった。

「あー…言っちまったー…」

小さく呟いた久世は口に手を当てた。

まさか…とは思うけど、告白は初めてだったのかしら。

そんなことを思った。

「いいよ」

「えっ?」

「だから、イエスだって」

「…マジかよ」

「そっちが言ったくせに」

「だって…イエスだとは思わなかったから…」

久世の顔は赤いままだ。

でもホッとしたような表情を浮かべている。
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